一方紙からパーツを切り抜いて作る狭義のペーパークラフトは、江戸時代中頃に登場します。江戸時代から明治、大正期に人気となった「立版古(たてばんこ)」と呼ばれる錦絵(木版画浮世絵)が発明されたのです。版古は錦絵の意味で文字通り立てた錦絵という意味になります。
立版古は絵柄の印刷された一枚の錦絵からたくさんのパーツを切り抜き、糊などで貼り合わせて立体模型を組み立てていきます。歌舞伎の名場面などを再現するジオラマのようなもので、おもちゃ絵や組み上げ絵とも呼ばれています。この立版古には組み立てのための説明書もきちんと付いていたようです。
明治時代には、文部省が江戸伝来の玩具を通して西洋風俗に親しむことを目的として、洋風の服装や馬車をテーマにした立版古を発行するほど一般的な玩具となっていました。文部省が発行したものの中には当時欧米で作られていた着せ替え人形を模して、服を着せ替えることのできる着替人形式の立版古もありました。
このように、日本では昔からペーパークラフトが親しまれてきた歴史があります。歌舞伎の名場面の再現など昔から推しをミニチュアで愛でる文化が根付いていたのかもしれませんね。
それでは最後にそんな推しキャラクターを手軽に立体化することのできる“キャラだち”の特長を簡単にご説明していきたいと思います。