キャラだちHPコンテンツ_Phase.3金型製作編
Phase.1のペーパークラフトのデザイン、Phase.2の原稿の印刷が終了したら次は金型(抜き型)制作の工程に進みます。
1.抜き型とは?
そもそも、抜き型(金型)ってなんだ?という方もいるかも知れません。抜き型は四角形の一枚の紙を特定の形に切り抜くために使用されるもので、切り抜きたい形に刃がついた板のことを指します。例えば紙箱を作る場合、箱の展開図の形に刃がついた板を四角形の紙に押し当てて箱の形を抜き出します。この抜き取った紙を組み立てて箱にしています。“キャラだち”では、台紙からパーツを手で簡単に切り取ることができるようにするミシン目を作るためにこの抜き型を使用しています。抜き型は次のPhase.4の型抜きの工程でこの板をハンコのように台紙に押し当てて使用されています。
2.抜き型の作成
抜き型は主にベニヤ板や木材を何層も圧縮して曲がりにくくした合板などを使用します。この板にミシン目を作るためのミシン刃を取り付けていきます。ミシン刃は切り抜くための刃のある部分と、台紙とペーパークラフをつなげておくために刃のない部分が交互に連なった刃物のことです。
板に刃を取り付ける方法はレーザーなどで板に溝を彫り込み、その溝に刃を差し込む方法が取られています。そのため、“キャラだち”の外周に沿ってミシン目をつけるため、まずは入稿データをもとにして、刃を取り付けるための溝を作るためのデータを作成します。データが完成したらレーザーなどで板に“キャラだち”の形を彫り込みます。溝が掘れたらそこにミシン刃を手作業で差し込んでいきます。
ワッカデザインでは、抜き型を無理なく作ることができるか、抜き型を紙に当てたときに綺麗に抜き取ることができる形状になっているかをしっかりと検討、職人さんと相談しながら原稿を作成しています。
3.抜き型の調整
“キャラだち”の原稿には、差込部分なども含め曲線のある細かなパーツがあります。この細かな曲線に沿って切り抜くためには曲げた刃を板に取り付けていく必要があります。そのため、曲線に沿ってズレなく型抜きができるよう、職人さんが手作業で刃のカーブを微調整しながら板に刃を取り付けています。
“キャラだち”は折り線に沿って折り曲げやすくするために、スジ押しという加工も行なっています。スジ押し加工もミシン目を作る工程と同じように折り線に沿って板に刃を差し込んでいきますが、切り抜いてしまってはいけないのでこの時の刃は刃のついていない部分が使用されます。
このスジ押し加工でも職人さんは刃の高さを細かく調整しながら取り付けを行なっています。ミシン目を作るためには刃の高さとスジ押し加工のための刃の高さにバラ付きがあると、切り抜きがうまくできていない部分ができてしまったりできてしまったり、逆にスジ押しの押し込みが強すぎるると台紙が歪み線からずれてしまったりという不良品の原因となるため、正確に線に沿って切り取りやスジ押しができるよう手作業で微調整を繰り返しながら刃の取り付けを行なっています。
4. 抜き型の完
こうした微調整を繰り返し、“キャラだち”の形通りに切り抜くための抜き型が完成するといよいよ、最終工程、Phase.4の型抜きに進みます。